種牡馬の適距離とは ~NHKマイルC

NHKマイルCは、グランプリボスが力強く抜け出して、1番人気に応えて優勝しました。
私もそうだったのですが、グランプリボスに関しては、父サクラバクシンオーがかなり注目を集めたと思います。それは4/30にサクラバクシンオーが死亡したこともありますが、東京のマイルG1を産駒が勝てるかということが、大きかったように思います。

サクラバクシンオーといえば、スプリンターSを2連覇した名スプリンターでしたが、逆に言えばマイル以上ではほとんど活躍できませんでした。私もマイルCSでノースフライトとの1点にかなりつぎ込んで、あやうくサクラバクシンオーが3着に落ちかけて、肝を冷やした記憶があります。

産駒にもそのスプリント能力は受け継がれ、高松宮記念を制したショウナンカンプを始め、シーイズトウショウ、カノヤザクラ、ダッシャーゴーゴーなど、そうそうたるスプリンターが名を連ねます。しかしマイル以上では、ほとんど活躍した馬の記憶がありません。
実際に昨年のリーディングサイアを見てみると、サクラバクシンオー産駒の芝での平均勝ち距離は1,258.9m(73勝)。これはベスト10の中では最短で、産駒が5勝以上している種牡馬では唯一ボストンハーバーが1,200m(5勝)で下回るだけです。

このようにマイルG1ではほとんど活躍していないサクラバクシンオー産駒ですが、グランプリボスが朝日杯FSを制する前に唯一マイルG1で連対したのが、2003年のNHKマイルCで2着になったエイシンツルギザンでした。マイルのニュージーランドトロフィーを制した後に、5番人気でウインクリューガーの2着に入ったのです。

このように、3歳の春ぐらいまでは比較的適距離にも融通が利くような印象があります。実際に過去のNHKマイルC上位馬には、後にスプリント路線で活躍するファイングレイン、キンシャサノキセキ、ローレルゲレイロ、ジョーカプチーノなどもいますし、そうかと思えばダービーを制するタニノギムレット、キングカメハメハ、ディープスカイや、JCダートを圧勝するクロフネなどもいます。

それを考えると、マイルで強い勝ち方をしたといっても、グランプリボスの適距離がマイルなのかは、まだ決められないのではと思います。実際にエイシンツルギザンも最後の頃は1200mで活躍しましたし。

種牡馬といえば興味深かったのは、NHKマイルCで2,3着に入った馬の父がディープインパクトで、4,5着に入った馬の父がロックオブジブラルタルと、それぞれ同じだったこと。ディープインパクト産駒のマルセリーナが桜花賞を制したこともあり、意外とこれらの種牡馬の産駒は、現時点ではマイルに適性があるのかもしれません。

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